被リンク監査チェックリスト:発見・評価・改善の手順
実務で効く監査は、掃除ではなくほとんどが回収作業です。データの集め方、目に見える根拠での評価、そして見つけたことへの対処をまとめます。
被リンク監査は何のために行うのか
被リンク監査とは、自社サイトに向いているすべての外部リンクを定期的に棚卸しすることです。どこから来ているのか、まだ生きているのか、価値を渡しているのか、そして検索エンジンの担当者に見られても平気かどうかを確認します。一度きりの掃除プロジェクトではありませんし、主な成果物はたいてい否認ファイルでもありません。
ほとんどの監査は3つのリストを生みます。失ってしまったが取り戻せそうなリンク。一度リンクしてくれたサイトはまたリンクしてくれることが多いので、もう一度当たる価値のあるドメイン。そして本当に質の悪いリンクの小さな山。これは多くのサイトで、予想よりずっと小さいものです。
価値は最初の2つにあります。すでにあなたを知っているサイトからリンクを取り戻すほうが、見知らぬ相手から新しく獲得するよりはるかに安上がりで、その機会を浮かび上がらせるのが監査です。掃除は副産物と考えてください。有害リンクの問題があるはずだと思って臨めば、実際にあるかどうかに関係なく見つかってしまい、壊れてもいないものの修理に四半期を費やすことになります。
データを集める。ただしツールごとに食い違う前提で
ウェブ全体を見渡せるツールはありません。どの被リンクインデックスも、それぞれの予算、更新サイクル、何をリンクとみなすかのルールを持つクロールの産物です。だから同じサイトでも2つのツールは2つの異なる総数を返します。これは欠陥ではなく想定内であり、複数のエクスポートから作業すべき理由でもあります。
少なくとも次の3つから取得してください。
- Google Search Console — 無料で、Google自身が自社サイトと結び付けているものを教えてくれる唯一のソースです。リンク元サイトと被リンクの多いページをエクスポートします。
- 商用の被リンクインデックス — アンカーテキスト、ページ単位の詳細、発見日、競合のプロファイルを補います。
- 自社の記録 — 自社または代理店が獲得したすべてのリンクを、日付と掲載URL付きで。まだ存在しないなら今日から始めてください。1年後にもっとも「あればよかった」と思うファイルです。
エクスポートを結合し、リンク元ドメインで重複を排除します。そして何かを見る前に、答えるべき問いを固めてください。どのリンクを失ったのか、どのドメインにもう一度提案する価値があるのか、どのリンクが自社を誤って伝えているのか、そしてここに恥ずかしいものはないか。この4つの問いがない監査は、ただスクロールして午後が終わります。
個々のリンクではなく、ドメインで評価する
同じサイトからの10本のリンクは、おおよそ1本のリンクです。まずエクスポートをユニークなリンク元ドメインに畳んでください。そうしないと、サイト全体に入ったフッターリンク1本で、薄いプロファイルが賑やかに見えてしまいます。
そのうえで、特定ベンダーのスコアではなく、目に見える根拠で各ドメインを判断します。
| シグナル | 良い状態 | 危険信号 |
|---|---|---|
| サイトの目的 | 実在の読者に向けて運営されている | リンクを載せるために存在している |
| テーマ | 自社と関連する、あるいは重なりうる | 1つのブログにカジノ・ローン・歯科が同居 |
| トラフィック | 人間が検索しそうな語で上位に入る | インデックスはされるが何でも上位に入らない |
| 外部リンク | 少なく、編集的で、関連がある | 数百本、商業的で、無関係 |
| コンテンツ | 読者のために書かれている | リライト、機械翻訳、大量生成 |
| 自社リンクの文脈 | 本文中、関連する文の中にある | 著者紹介、フッター、または羅列 |
20サイトは手で開いてください。ベンダーの指標は数千行に順序を付けるには有用ですが、個々のサイトへの判決としては役に立ちません。ページを5分眺めるほうがどんなスコアより優れていますし、20ドメインも見れば自分の判断基準が定まり、残りは速く進められるようになります。
ドメインだけでなく、リンクそのものを確認する
ドメインの品質が片付いたら、掲載の中身を見ます。良いサイト上のリンクでも、価値がゼロということはあり得ます。
- rel属性 — nofollow、sponsored、ugcはいずれも、通常の形で評価を渡さないよう検索エンジンに伝えます。流入と発見のためには持つ価値がありますが、順位のためのリンクとして対価を払う価値はありません。
- リンク元ページはインデックスされていますか。robots.txtでブロックされ、noindexが付き、あるいは別URLに正規化されたページは、ほとんど何も渡しません。
- 自社のURLはまだ開けますか。削除・移動したページに向いているリンクは、適切にリダイレクトするか、リンク元に依頼して差し替えてもらいましょう。
- リダイレクトの連鎖 — 3回転送を経て届くリンクは直接のリンクより弱く、あとで切れやすくなります。
- ページ内の位置 — 本文中の1文は、サイドバーやフッターに勝ります。
- プロトコルとホスト — 正規化前のURLへのリンクもリダイレクトで機能しますが、そのリダイレクト自体を確認する価値があります。
ここは、確実に「タダで拾える成果」が見つかる部分です。すでに存在していて、404を指しているリンクです。修正コストは1本につきリダイレクト1つ、アウトリーチは一切不要。どの監査でも最初に着手すべき項目です。
失ったリンクは、いちばん安く手に入るリンク
リンクは絶えず、静かに消えていきます。サイトがリニューアルされ、記事が整理され、CMS移行で段落が落ち、編集者があなたのリンクを競合のものに差し替える。誰もそれをメールで知らせてはくれません。
だからどの監査も前回と比較し、消失リンクのリストを作るべきです。各項目について、次のどれが起きたのかを見極めます。
- リンク元ページ自体が消えた — アーカイブを確認し、そのサイトに代替となるコンテンツを提案します。
- ページは生きているがリンクが外された — 短く事実だけを書いたメールが、思いのほか効きます。特に、そのリンクが読者にとって今も役立つ理由を添えた場合は。
- 自社のリンク先URLが移動して404になっている — 自分の側で直せます。アウトリーチは不要です。
- リンクがnofollowになった — たいていはサイト全体の方針変更で、たいてい議論する価値はありません。
これを手作業でやると数百件を超えたあたりで回らなくなります。だからこそGrowmindrの被リンクモジュールは、追跡中の全掲載を再クロールし、依頼済み・約束済み・生存・消失を日付付きで記録します。どのツールを使うにせよ、必要な要件は同じです。リンクごとに日付付きのステータスを持ち、定期的に確認すること。そうすれば、削除は次の四半期監査ではなく数日以内に浮かび上がります。
アンカーテキストは、個々ではなく分布で読む
アンカーテキストは順位のシグナルであると同時に、過剰最適化のシグナルでもあります。自社サイトへ向いているアンカーをすべてエクスポートし、4つに分類してください。ブランド名、URLそのまま、「詳しくはこちら」「このガイド」といった一般的な語句、そして完全一致の商用キーワードです。
自然に積み上がったプロファイルは、最初の3つが大半を占めます。実在の編集者は、文の中に収まりよく読めるという理由で、ブランド名か記事タイトルでリンクするからです。狙っているキーワードそのままのアンカーが無視できない割合を占めるプロファイルは、偶然そうなったのではありません。そして検索エンジンから見ても、そう見えます。
覚えておくべき安全な比率などありませんし、小数点まで挙げてくる人がいたら、それは当て推量です。当てになるのは比較です。現在自社より上位にある3サイトのアンカー分布を取り出し、形を見比べてください。自社のほうが明らかに商業寄りなら、それが発見事項です。対処法は、アンカーテキストを自分で決められないリンクを積み続けることです。
アンカーは文章としても読んでください。自社が扱っていない製品名や、事業を展開していない言語のアンカーは、リンク元ページの改ざんか、ジャンクリンクの散布を意味します。どちらも把握しておく価値はありますが、どちらもよくあることではありません。
否認:使うべきとき、そしてほとんどの場合は使わないこと
否認ツールは、指定したリンクを無視するようGoogleに伝えます。狭い範囲の問題に対する本物の解決策であり、同時に、遅く目に見えない問題を作り出す人気の方法でもあります。
使うべきなのは、Search Consoleで不自然なリンクに対する手動による対策を受けているとき、またはサイトの歴史のどこかでリンクを購入・大量生成したと分かっていて、それを特定できるときです。その場合はドメイン単位で否認し、ファイルは短く保ち、該当するなら再審査リクエストと一緒に提出します。
ツールがいくつかの行を赤く塗ったから、という理由で使ってはいけません。自動の有害度スコアはヒューリスティックであって判断ではありませんし、検索エンジンはあなたの助けがなくてもありふれたリンクスパムをすでに無視しています。何かで上位に入っているサイトには、それが必ず飛んでくるからです。良いリンクを否認しても、その事実は静かで、気づくのに時間がかかります。効いていたものを自分でオフにした、とどの画面も教えてはくれないからです。
判定基準はこうです。ツールのスコアを引き合いに出さずに、なぜこのリンクが存在し、なぜそれが問題なのかを1文で説明できますか。できないなら、放っておきましょう。ほとんどの小規模サイトにとって、正しい否認ファイルは空です。その時間は消失リンクのリストに使うほうが有益です。
被リンク監査を毎月のループに変える
年に一度の監査は、1年分の問題を一度に突きつけてきます。毎月のパスなら、まだ直せるうちにひとつずつ見つかりますし、合計の所要時間もはるかに短くなります。
- 毎月 — 追跡中の掲載を再クロールして生存・消失を確認し、削除にはその週のうちに対処します。編集者がまだ記事を覚えているうちに。
- 毎月 — リンク先URLの404とリダイレクト連鎖を確認します。このリストでもっとも安上がりな、繰り返し得られる成果です。
- 四半期ごと — Search Consoleと選んだインデックスから全件をエクスポートし、前四半期と差分を取り、新しい参照ドメインに想定外のものがないか確認します。
- 四半期ごと — 同じ競合セットに対してアンカー分布を再確認します。スナップショットではなく傾向を見るためです。
- 毎年 — 判断のパスです。参照ドメインの上位50件を開き、今もそれぞれが欲しいリンクかどうかを問い直します。
結果は日付付きで1つのファイルにまとめてください。監査は前回と比較できて初めて積み上がりますし、リンクの仕事で有用な発見のほとんどは絶対値ではなく差分です。今四半期に14本のリンクを失ったプロファイルは、312本のリンクがあるという事実が語らないことを語っています。
FAQ
被リンク監査はどれくらいの頻度で行うべきですか?
全体監査は四半期ごと、それに加えてすでに追跡している掲載の生存・消失チェックを毎月。年次監査は1年分たまった問題を一度に突きつけますし、その頃には外されたリンクも冷え切っています。編集者は記事を忘れ、リンクを落としたリニューアルはとっくに完了しています。毎月のチェックのほうが短時間で済み、回収できる量もはるかに多くなります。
被リンク監査に有料ツールは必要ですか?
始めるだけなら不要です。Google Search Consoleは、Googleが自社サイトと結び付けているリンクを無料でエクスポートできますし、それがもっとも重要なソースです。有料インデックスはアンカーテキストの詳細、発見日、競合のプロファイルを補います。積極的にリンクを構築し、掲載を時系列で追う段階になれば、費用に見合うようになります。
有害な被リンクは否認すべきですか?
たいていは不要です。否認すべきなのは、不自然なリンクに対する手動による対策を受けているとき、またはリンクを購入・大量生成したと分かっていて特定できるときです。ツールが行を赤く塗ったことは根拠になりません。検索エンジンはありふれたリンクスパムをすでに無視していますし、効いていたリンクを否認すると、どこにも報告されないままゆっくりと順位が下がっていきます。
上位表示には何本の被リンクが必要ですか?
決まった本数はありません。本数より、関連性とリンク元サイトの質のほうがはるかに重要ですし、現実的な目標は公開されたベンチマークではなく、いま自社の狙う語で上位にいる相手が決めます。自社より上の3サイトと参照ドメイン数を比べ、それが実際どんなサイトなのかを見て、その差から逆算してください。
失った被リンクはどうやって見つけますか?
現在の参照ドメインのエクスポートを前回と比較し、消えたものを一覧にします。そのうえで各ケースを確認します。リンク元ページが削除された、ページは生きているのにリンクが外された、自社のリンク先URLが404になっている、リンクがnofollowに変わった。404のケースは自分で直せます。それ以外は、著者宛ての短く事実に基づいたメールが必要です。
nofollowリンクはSEOに数えられますか?
通常の形で順位の評価を渡すことはありませんし、rel=sponsoredやrel=ugcも同様です。ただし、それで無価値になるわけではありません。参照トラフィックを運び、検索エンジンのページ発見を助け、しかも「言及されて嬉しいサイト」にこそ多く存在します。流入と露出のために価値を認め、順位のためのリンクとして対価を払わないことです。
